

睡眠薬って怖いイメージです



睡眠薬は正しく使えば睡眠障害の改善になります
「睡眠薬についての基本知識を知りたい」と思ったあなたへ、この記事で分かりやすくお伝えしていきますね。
結論を言うと、睡眠薬は医師の指導のもと正しく使えば不眠の改善に効果があると言われています。
しかし、副作用などが強いイメージがあり、薬に対して怖いと思われている方も多いです。
「どんな副作用があるのか詳しく知りたい」という声にもお答えするので、ぜひ最後まで読んで下さい!
睡眠薬の種類と分類
睡眠薬にはいくつかの種類があり、作用時間やメカニズムによって分類されます。主に以下の4つのタイプがあります。
1. ベンゾジアゼピン系睡眠薬
- 特徴:脳の神経を抑制する作用があり、即効性がある。
- 代表的な薬:ハルシオン(トリアゾラム)、レンドルミン(ブロチゾラム)、ロヒプノール(フルニトラゼパム)
- 効果:
- 入眠を助ける(寝つきを良くする)
- 睡眠を深くする
- 筋肉の緊張を和らげる
注意点:長期間使用すると耐性がつきやすく、依存症のリスクがあるため、医師の指示に従うことが重要です。
2. 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
- 特徴:ベンゾジアゼピン系よりも依存性が低く、安全性が高いとされる。
- 代表的な薬:マイスリー(ゾルピデム)、アモバン(ゾピクロン)、ルネスタ(エスゾピクロン)
- 効果:
- 自然な眠気を誘導
- 中途覚醒を減らす
注意点:ベンゾジアゼピン系に比べて安全とはいえ、長期使用には注意が必要。
3. メラトニン受容体作動薬
- 特徴:体内時計を調整し、自然な眠りを促進。
- 代表的な薬:ロゼレム(ラメルテオン)
- 効果:
- 体内リズムを整え、自然な眠気を促す
- 睡眠の質を改善
注意点:即効性はなく、効果が出るまでに時間がかかる場合がある。
4. オレキシン受容体拮抗薬
- 特徴:覚醒を維持するホルモン(オレキシン)の働きを抑える。
- 代表的な薬:ベルソムラ(スボレキサント)、デエビゴ(レンボレキサント)
- 効果:
- 自然な眠気を引き起こし、入眠しやすくする
- 夜中に目が覚める回数を減らす
注意点:人によっては眠気が残ることがあるため、服用後の運転は避ける。



睡眠薬にも種類があるんですね


処方薬と市販薬の違い
睡眠薬には、医師の処方が必要な処方薬と、ドラッグストアで購入できる市販薬があります。どちらを選ぶべきか、それぞれの違いを見ていきましょう。
1. 処方薬
- 医師の診察が必要
医師の判断のもとで処方されるため、自分の症状に合った薬を選んでもらえる。 - 強力な効果
入眠作用が強く、効果がはっきりと現れる。 - 長期使用には注意が必要
依存性のあるものもあり、医師の指示に従って服用する必要がある。
2. 市販薬
- ドラッグストアで購入可能
処方箋なしで手軽に購入できる。 - 成分が弱め
処方薬に比べてマイルドな効果のため、軽度の不眠向け。 - 主な成分
- 抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン):アレルギー薬に含まれる成分で、副作用として眠気を誘発。
- ハーブ系成分(カモミール、バレリアンなど):リラックス効果を促し、自然な眠りをサポート。
処方薬と市販薬、どちらを選ぶべき?
項目 | 処方薬 | 市販薬 |
---|---|---|
効果の強さ | 強い | 弱い |
依存性のリスク | あり(種類による) | ほぼなし |
入手方法 | 医師の診察が必要 | ドラッグストアや通販で購入可能 |
価格 | 保険適用で安価 | 自費購入のためやや高め |
使用対象 | 慢性的な不眠症の人向け | 軽度の不眠、ストレスによる一時的な不眠向け |
処方薬は医師の管理のもとで使用する必要がありますが、効果が確実であるため、長期的に睡眠の問題を解決したい人に向いています。一方、市販薬は一時的な不眠やストレスによる睡眠不足をサポートするのに適しています。



ドラッグストアでも睡眠薬は購入可能です



重症だと思う人はお医者さんに行った方がいいんですね
睡眠薬の効果と作用機序
睡眠薬は、脳内の神経伝達物質に作用し、眠気を引き起こすことで効果を発揮します。主な作用機序を見ていきましょう。
1. GABA受容体への作用
- 対象薬:ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系
- メカニズム:脳内の抑制系神経伝達物質「GABA(ガンマアミノ酪酸)」の働きを強め、神経の興奮を抑制することで眠気を誘発。
2. メラトニン受容体への作用
- 対象薬:メラトニン受容体作動薬(ロゼレム)
- メカニズム:体内時計を調整し、自然な眠気を促す。
3. オレキシン受容体拮抗
- 対象薬:オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ、デエビゴ)
- メカニズム:覚醒を維持するホルモン「オレキシン」の作用を抑え、眠りに入りやすくする。
副作用について
睡眠薬は、不眠症の改善に役立つ一方で、副作用のリスクも伴います。適切に使用すれば安全性が高いものの、誤った使い方をすると、健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。本記事では、睡眠薬の一般的な副作用、強い副作用のリスク、依存性について詳しく解説します。安全に睡眠薬を活用し、快適な眠りを手に入れるための参考にしてください。



副作用とはどのようなものがあるかを解説します
一般的な副作用とは?
睡眠薬にはさまざまな種類がありますが、多くの人に共通して見られる副作用があります。特に、以下のような症状が現れることがあります。
1. 日中の眠気・倦怠感
- 睡眠薬の作用が翌朝まで残ることで、起床後もしばらく眠気が続くことがあります。
- ぼんやりした感覚や集中力の低下を引き起こす可能性があり、仕事や運転に影響を及ぼすことも。
2. 頭痛やめまい
- 一部の睡眠薬は血圧や脳の血流に影響を与えるため、頭痛やめまいを感じることがあります。
- 服用後に急に立ち上がると、立ちくらみを起こすこともあるため注意が必要です。
3. 口の渇き
- 特に市販の睡眠薬(抗ヒスタミン系)では、唾液の分泌が抑えられ、口が乾くことがあります。
4. 消化器系の不調
- 一部の人は、胃の不快感や吐き気を感じることがあります。
- 胃に負担をかけないために、空腹時を避けて服用するのも対策のひとつです。
対策:
- 副作用が気になる場合は、服用量を調整できるか医師に相談しましょう。
- 作用時間が短めの睡眠薬を選ぶことで、翌朝の眠気を軽減できます。
強い副作用のリスク
一部の睡眠薬には、まれに強い副作用が現れることがあります。特に、以下の点には注意が必要です。
1. 記憶障害(前向性健忘)
- ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を使用すると、服用後の出来事を覚えていない「前向性健忘」が起こることがあります。
- 例:夜中にトイレに行ったのに、翌朝まったく記憶がない。
- 対策:寝る直前に服用し、服用後はすぐに布団に入る。
2. ふらつき・転倒
- 高齢者では、睡眠薬によるふらつきや転倒のリスクが高くなります。
- 特にベンゾジアゼピン系睡眠薬は筋弛緩作用があるため、足腰の力が抜けやすくなります。
- 対策:服用後にすぐ歩き回らない。必要ならノンベンゾジアゼピン系の睡眠薬を検討。
3. 異常行動(夢遊病・もうろう状態)
- 一部の睡眠薬では、睡眠中に無意識のうちに歩き回ったり、食事をしたりする異常行動が報告されています。
- 対策:異常行動が見られた場合はすぐに医師に相談し、薬の種類を見直す。



効果が高い薬ほど、副作用も強いと言われています
依存性についての心配
睡眠薬の長期使用において、多くの人が心配するのが「依存性」です。睡眠薬の種類によっては、連用すると「薬がないと眠れない」という状態になることがあります。
1. 依存性のリスクが高い睡眠薬
- ベンゾジアゼピン系睡眠薬(ハルシオン、レンドルミンなど)
- 長期間使用すると、薬が効きにくくなる「耐性」ができる。
- 急にやめると不安感やイライラ、不眠の悪化が起こることも。
- 非ベンゾジアゼピン系(マイスリー、ルネスタなど)
- 依存性は低いが、長期間の服用は注意が必要。
2. 依存を防ぐための対策
- 医師の指示に従う
睡眠薬の自己判断での増量や長期使用は避けることが重要です。 - 断薬は少しずつ
いきなりやめると「リバウンド不眠」と呼ばれる強い不眠が起こることがあるため、徐々に減薬する。 - 睡眠習慣を整える
睡眠薬に頼らなくても眠れるように、生活習慣の改善を心がける(例:寝る前のスマホを控える、寝る時間を一定にする)。
3. 依存の少ない睡眠薬の選択
- メラトニン受容体作動薬(ロゼレム)
- 体内時計を整える作用があり、依存性がほぼない。
- オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ、デエビゴ)
- 眠気を自然に誘導するタイプで、依存リスクが低い。
睡眠薬の使用に関する重要な知識
睡眠薬は不眠を改善するために有効な手段の一つですが、正しく使わないと期待した効果が得られなかったり、副作用が出たりすることがあります。本記事では、睡眠薬の適切な服用方法や、効果的な睡眠時間の確保、不安を軽減するための工夫について詳しく解説します。安全に睡眠薬を活用し、快適な眠りを手に入れましょう。



睡眠薬はどういうシーンで使用すればよいかを解説します
服用のタイミングと方法
睡眠薬の効果を最大限に発揮させるためには、適切なタイミングと方法で服用することが大切です。間違った使い方をすると、日中の眠気や副作用のリスクが高まるため、正しい服用方法を確認しておきましょう。
1. 服用のタイミング
睡眠薬の種類によって、飲むべきタイミングが異なります。
- 入眠困難(寝つきが悪い)タイプの不眠
→ 寝る直前(30分以内)に服用- 例:ハルシオン(トリアゾラム)、マイスリー(ゾルピデム)
- 早めに服用すると、効果が切れるまでに時間がかかり、翌朝の眠気につながる可能性があるため注意。
- 中途覚醒(夜中に目が覚める)タイプの不眠
→ 就寝1時間前に服用- 例:ルネスタ(エスゾピクロン)、ベルソムラ(スボレキサント)
- 作用時間が長いものを選び、寝つきだけでなく、睡眠の持続をサポート。
- 早朝覚醒(朝早く目が覚めてしまう)タイプの不眠
→ 作用時間が長めの薬を選択し、就寝前に服用- 例:デエビゴ(レンボレキサント)
2. 正しい服用方法
- 水またはぬるま湯で飲む
- お茶やジュースで飲むと成分の吸収に影響を与えることがある。
- アルコールと一緒に飲まない
- アルコールは睡眠薬の効果を強め、副作用のリスクを高めるため危険。
- 服用後はすぐに布団に入る
- 睡眠薬は脳の働きを鎮めるため、服用後に活動すると転倒や事故のリスクがある。
効果的な睡眠時間の確保
睡眠薬を飲んでも、適切な睡眠時間を確保しなければ、朝の眠気や疲労感を感じることがあります。理想的な睡眠時間を確保し、スムーズな目覚めを迎えるためのポイントを紹介します。
1. 睡眠薬ごとの推奨睡眠時間
睡眠薬は作用時間によって効果の持続時間が異なります。十分な睡眠時間を確保し、副作用を防ぐために、以下の目安を参考にしてください。
睡眠薬の種類 | 効果の持続時間 | 推奨睡眠時間 |
---|---|---|
短時間型(ハルシオン、マイスリー) | 3〜4時間 | 4時間以上 |
中時間型(ルネスタ、アモバン) | 6〜8時間 | 6時間以上 |
長時間型(ベルソムラ、デエビゴ) | 8〜10時間 | 7時間以上 |
ポイント
- 短時間型の薬は「眠りにつくまでのサポート」なので、十分な睡眠時間が取れない日は使用を避ける。
- 長時間型の薬を服用する場合、最低でも7時間は眠る時間を確保する。
2. 規則正しい睡眠習慣を作る
- 毎日同じ時間に就寝・起床する
- 体内時計を整え、睡眠薬に頼らない生活を目指す。
- 朝日を浴びる
- 体内時計をリセットし、自然な眠気を誘発。
- 昼寝は短めに(20分以内)
- 長時間の昼寝は夜の眠りを妨げるため、15〜20分程度に抑える。
不安を軽減するための工夫
睡眠薬を服用することに不安を感じる人も多いですが、正しく使用すればリスクを抑えることができます。以下の方法で、不安を軽減しながら快眠を目指しましょう。
1. 睡眠薬に頼りすぎない工夫
- 生活習慣の改善を意識する
- 睡眠環境を整える(暗く静かな部屋、快適な寝具を選ぶ)
- カフェインやスマホの使用を寝る前に控える
- 薬の使用期間を決める
- 医師と相談しながら、徐々に減薬を目指す
2. 副作用が心配な場合は医師に相談
- 「朝の眠気が強すぎる」「ふらつきやめまいがある」といった症状が続く場合は、薬の種類を見直してもらう。
- 依存性の少ない薬(メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬)を選択する。
3. リラックス習慣を取り入れる
- 就寝前の深呼吸やストレッチ
- 体をリラックスさせ、自然な眠りを促す
- アロマテラピー
- ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果のある香りを活用する



不安を軽減することが大切ですね
睡眠薬のランキングとおすすめ商品
不眠に悩む方々にとって、適切な睡眠薬の選択は重要です。市販薬と処方薬の両方に効果的な製品がありますが、それぞれの特徴や効果、安全性を理解することが大切です。本記事では、市販の人気睡眠薬、医師が推奨する処方睡眠薬、そして効果と安全性を比較した表を提供します。



ご自身の状況に合った選択の参考にしてください
市販の人気睡眠薬
市販の睡眠薬は、軽度の不眠や一時的な睡眠障害に対処するために利用されます。以下に、特に人気の高い市販睡眠薬を紹介します。
- ドリエル(エスエス製薬)
- 成分:ジフェンヒドラミン塩酸塩
- 特徴:抗ヒスタミン作用により、眠気を誘発します。旅行時の時差ボケや一時的な不眠に適しています。
- 注意点:服用後は眠気が強く現れることがあるため、車の運転や機械操作は避けてください。
- ネオデイ(大正製薬)
- 成分:ジフェンヒドラミンナパジン
- 特徴:入眠をサポートし、自然な眠りを促します。眠れない夜の一時的な利用に適しています。
- 注意点:連続使用は避け、症状が続く場合は医師に相談してください。
- ウット(皇漢堂製薬)
- 成分:ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素
- 特徴:鎮静作用により、神経の高ぶりを抑え、眠りやすくします。
- 注意点:長期間の使用は避け、服用後は車の運転を控えてください。
市販薬の利用時のポイント:
- 一時的な不眠に使用:長期間の不眠や深刻な睡眠障害には適していません。
- 用法・用量を守る:過剰摂取は副作用のリスクを高めます。
- 医師への相談:症状が続く場合や他の薬を服用している場合は、医師や薬剤師に相談してください。
医師推奨の処方睡眠薬
慢性的な不眠や重度の睡眠障害には、医師の診断のもとで処方薬が用いられます。以下に、医師がよく処方する睡眠薬を紹介します。
- マイスリー(ゾルピデム酒石酸塩)
- 分類:非ベンゾジアゼピン系
- 特徴:入眠効果が高く、作用時間が短いため、翌朝の眠気が少ないとされています。
- 注意点:依存性のリスクがあるため、医師の指示に従い、長期使用は避けてください。
- ロゼレム(ラメルテオン)
- 分類:メラトニン受容体作動薬
- 特徴:体内時計を調整し、自然な眠りを促します。依存性が低いとされています。
- 注意点:効果が現れるまでに時間がかかる場合があります。
- ベルソムラ(スボレキサント)
- 分類:オレキシン受容体拮抗薬
- 特徴:覚醒を抑制し、自然な眠りを誘導します。新しい作用機序の薬です。
- 注意点:服用後は十分な睡眠時間(7時間以上)を確保してください。
処方薬の利用時のポイント:
- 医師の指示を厳守:自己判断での服用や中止は避けてください。
- 副作用の確認:服用後に異常を感じた場合は、すぐに医師に相談してください。
- 定期的な診察:効果や副作用の確認のため、定期的に医師の診察を受けましょう。



医師の指示を守るようにしましょう
効果と安全性を比較する表
以下に、市販薬と処方薬の主な睡眠薬の効果と安全性を比較した表を示します。
薬品名 | 分類 | 主成分 | 効果の強さ | 作用時間 | 依存性リスク | 主な副作用 |
---|---|---|---|---|---|---|
ドリエル | 市販薬(抗ヒスタミン系) | ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 中 | 短い | 低 | 眠気、口渇 |
ネオデイ | 市販薬(抗ヒスタミン系) | ジフェンヒドラミンナパジン | 中 | 短い | 低 | 眠気、口渇 |
ウット | 市販薬(鎮静系) | ブロムワレリル尿素 | 中 | 中 | 中 | 眠気、めまい |
マイスリー | 処方薬(非ベンゾ系) | ゾルピデム酒石酸塩 | 高 | 短い | 中 | 眠気、めまい |
ロゼレム | 処方薬(メラトニン系) | ラメルテオン | 中 | 中 | 低 | 眠気、疲労感 |
ベルソムラ | 処方薬(オレキシン系) | スボレキサント | 高 | 長い | 低 | 眠気、悪夢 |
注:効果の強さや副作用の感じ方は個人差があります。服用前に医師や薬剤師に相談し、自分に合った薬を選択してください。
まとめ:【睡眠薬とは?】睡眠の質を改善する薬の基本知識





睡眠薬についての理解が深まりました
いかがだったでしょうか。
睡眠薬は副作用がありますが、医師の指示を守れば不眠改善につながります。
良質な睡眠がとれるように改善していきましょう!
▼この記事は睡眠をきちんと理解する為の第7回です。続きは以下よりどうぞ▼


幼少のころから不眠症に悩まされてきたため、克服するために資格を取得した睡眠アドバイザーのカオリさん。
質の良い睡眠のためのグッズの紹介、情報発信をします。